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納得しないと先に進めない 

幼い頃の父に関する思い出といえば、始終父の仕事場に出入りしていたことです。診療室のとなりが技工室になっていて、よく私はそこで本を読んだり遊んだりしていました。

 

上の兄二人は毎日、日課の勉強に追われていましたから、たいてい私一人です。当時は、専門の歯の技工士はいませんでしたから、診療が終わったあとなど、よく父がその室で歯をつくっていました。

 

それを見ながら私は「これ、何?」「どうするの、これ?」などと父に尋ねるのです。

 

そのつど、父はていねいに教えてくれものでした。子供は好奇心のかたまりのようなものですから、「僕にもやらせて」などといいなが手伝ったりしたものです。もちろん遊び半分でしたが、「門前の小僧習わぬ経を読む」のことわざのとおり、それがのちに歯科大学に入学してからずいぶん役に立ったのです。

 

さて、話が先に進んでしまいました。父にうるさいほどいろいろ質問していたことからもおわかりのように、私は好奇心は強いものの、自分自身で納得しないと、身につかない性分でした。こういう子供は、学校ではちょっとやっかいなことになります。授業で先生が何かいっても、それが理解できないと、「どうして?」とか「なんで、そうなるんですか?」と、しつこく質問するわけです。

 

先生にとっては何とも面倒な生徒だったでしょうが、別に反抗していたわけではありません。自分の中で納得し、理屈が通らないとブレ−キがかかってしまうのです。

 

優等生というのはたいてい、先生に従順で記憶力もよいものです。先生の教える言葉をそのまま覚えて、どんどん先へ進みます。ところが、ブレ−キがかかってしまう私は先へ進めず、従って学業成績もあまり芳しいものではありませんでした。 

 

今度、この本を書くにあたって子供の頃からいろいろ思い出してみましたが、なにごとであれ自分で納得しないと先へ進めないという性分は、その後もずっと続いていたようです。「三つ子の魂百まで」といいますが、まさにそれです。あとで詳しくお話しますが、「矯正治療に健康な歯を抜くのはおかしい、どうして抜かなきゃいけないんですか?」と、まわりから変人扱いされながらも、その疑問をいい加減に解消することができなかったのも、生まれついての性分のせいでしょう。

 

そういう性分の人間は、なにごとも自分で経験を踏み納得しないと先に進めませんから、どうしても他人より遅れてしまいます。しかし、いったん納得するとそれが身につき、どんな技術であれ確実にこなせます。他の優等生は言葉上の理論だけで先に進んでいますから、実践の場ではなかなかうまくいきません。歯を抜かない矯正治療というのは、歯科医にとって難しい技術を要しますが、私がそれを確実に自分のものにできたのも、そういう性分のせいだったように思えます。

 

また話が先にいってしまいましたが、そんな具合で小中学校の成績はあまりよくなかったのですが、それでもなんとか、二人の兄も学んだ地元で唯一の進学校である岡山県立津山高校に入学できました。昭和44(1969)年のことでした。

 

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