実践医院紹介

きしもと刈谷矯正歯科

名駅メルサ歯科・矯正クリニック

銀座コア歯科・矯正クリニック

医療法人メディアのブログ

患者様からの声

携帯サイト

Flash版のトップページはこちらから

咬合平面の垂れ下がり・持ち上がり

こうした奥歯の圧迫からくる歯並びの異常は前後に現れる異常で、叢生(八重歯や乱れぐい歯)の原因になります。それとは別に、上下に現れる異常もあります。それが咬合平面(かみ合わせの面)の垂れ下がり・もち上がりです。

 

かみ合わせのよい歯はだいたい同じ高さに並び、咬合平面は平らです。縄文人の歯を見ると、奥歯はすり減って平らで、咬合平面はまっすぐでした。ところが現代人の多くは、咬合平面がまっすぐではなく、上がったり下がったりしています。それが歯並びを悪くする原因のひとつになっているのです。

 

咬合平面の垂れ下がりとは、前歯にくらべて奥歯のほうが下がっていることです。反対に持ち上がりとは奥歯が上がっている状態です。横からレントゲン写真を撮り、歯の高さに沿って線を引くと、ラインの傾きが上がったり下がったりしていくので、すぐに分かります。これが出っ歯や受け口・開咬の原因になります。

 

この咬合平面の垂れ下がり・持ち上がりにも顎の大きさが関係しているのです。歯は、歯ぐきから出ている歯の頭の部分の歯冠が大きく、根っこ(歯根)に行くほど細くとがっています。そういう形の歯がまっすぐ生えるには、歯冠が並ぶだけの十分なスペ−スが必要です。ところがそのスペ−スが足りないと、大きい歯冠が隣の歯冠とこすれあいながら生えることになります。そこで知らないうちに咬合面が持ち上がったり(下顎)、垂れ下がったり(上顎)してくるのです。

 

また、第一大臼歯のうしろにスペ−スがないと、そこに生えてきた第二大臼歯や親知らずによって、前の臼歯が押し出されてしまいます。そのため余計に咬合平面が上がったり下がったりします。

 

こうした咬合平面の垂れ下がり・持ち上がりは、顎の骨格まで変えてしまうのです。たとえば出っ歯は、下の奥歯が持ち上がって上下の歯が不正に当たり、下顎が後方に引っ込むことでおこります。下顎は前方へ成長するのを妨げられ、上の顎が出てしまうのです。下顎の成長が劣るため、相対的に上顎が出て見えるわけです。

 

反対に受け口開咬は、咬合平面の垂れ下がりによって生じます。下顎の成長期に上の奥歯が下がると、下顎を前に出すように動かさなければ、ものがうまく噛めなくなります。そうすると下顎が前に出て、受け口になるのです。

 

一方、下顎の成長が止まってから、上の奥歯が下がるとなりやすくなるのが開咬です。咬合平面の垂れ下がりによって奥歯が不正に当たるようになると、顎関節を支点にした顎の運動(ちょうつがいの運動)ができなくな
ってしまいます。
そこで前歯がしっかり閉じなくなるのです。

 

このようにかみ合わせに応じて顎の動きが変わり、それを習慣的につづけていると、頭蓋骨にひずみが生じて顎の骨も変形します。顎の骨が変形すると、そのうちに周辺の靱帯もゆるみ、さらに神経系も狂ってしまいます。

 

従来、重度の受け口や開咬は顎の骨に問題があるとされ、口腔外科で手術を受けなければなりませんでした。しかし、いまお話したように、真の原因は奥歯の垂れ下がり・持ち上がりなのです。したがって早期に咬合平面の異常を矯正すれば、受け口や開咬も手術をせずに治るようになったのです。

 

<< 前ページへ戻る                   次ページへ進む >>

目次リストへ  

トップヘ