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「MK方式」5つのポリシ−

矯正歯科にかかわらず、医療はいうまでもなく患者さんのためにあるものです。何度もお話したように私が非抜歯矯正をするようになったのも、患者さんの歯を1本も抜きたくないという思いからでした。患者さんの口腔をいちばんいい状態にすることが、矯正治療本来の目的です。そのために私の「MK方式」では、つぎの5つのポリシ−を治療方針としてかかげ、実践しています。

 

 

①健康な小臼歯は可能なかぎり抜かない

これまで繰り返し述べてきたように、かみ合わせの安定を維持するためにも、かみ合わせに参加している歯は可能なかぎり抜くことはしません。前述したように、便宜抜去されている第一小臼歯には、他の歯で代用できない大事な役割があります。私はここ十数年間、小臼歯をほとんど抜かずに治療してきました。

 

②リスクの大きい外科手術はできるだけしない

ひどい受け口や開咬は、これまで顎の骨の異常が原因だといわれてきました。それを矯正するには、上下の歯を個別に並べてから、骨を切るなどの外科手術が行なわれるのが通常です。骨切り手術は矯正歯科ではなく、歯科の口腔外科で行なわれ、入院が必要です。 しかし、これまで手術のみが適応とされてきた受け口や開咬でも、すべてが骨の異常によるものではないことが解明されてきました。奥歯が原因になっているケ−スも多々あるのです。たとえば親知らずが邪魔をして上の奥歯が押し出され、下顎を突き出さなければ噛めなくなって受け口になるケ−スや、奥歯のかみ合わせが悪いために開咬になるケ−スです。

 

そういう症例では、邪魔をしている親知らずだけを抜き、奥歯のかみ合わせを整えることで矯正できます。もちろんすべての受け口や開咬が矯正できるわけではありませんが、いままでなら骨切り手術をしなければならなかった症例の大多数がMK方式矯正で治るようになりました。

 

ただ、明らかに骨格が左右にずれている場合は、外科手術でなければ治りません。たとえば、大人になるまでに顎がかなり横にずれてしまった場合などです。また、美容だけを目的に矯正したいのなら、手術のほうがいいでしょう。骨格が変わるので、顎の骨が劇的に変化します。

 

外科手術は全身麻酔をかけて顎の骨を切るのですから、患者さんにとってはかなりの心身的負担になります。手術によって後遺症が出たり、体調を崩すなどの問題が出てくるおそれもあります。手術を受ける際には慎重に検討し、矯正だけで治せるものは治したほうがいいと私は考えています。手術しなければ治らないといわれた患者さんも、すぐに手術を受けるのではなく、一度きちんと検査を受けてから決めるといいでしょう。

 

③顎関節機能のチェックを必ず行なう

理想的な歯並びは人によって違いますが、いちばん大切なことは、顎関節や咀嚼筋に負担をかけない歯並びです。そういう歯並びをつくるためには、顎関節機能を十分に検査することが不可欠です。私は矯正治療の前と後に必ず顎関節のチェックを行ない、顎関節に負担をかけない歯並びにするよう心がけています。

 

しかし、顎関節症がこれだけ問題になっているにもかかわらず、いま日本で行なわれている矯正治療は、顎関節の機能をあまり考慮に入れていないようです。顎関節の適正な検査自体が、歯科医のあいだでまだそれほど普及していないのが現状です。その結果、顎関節症の患者さんが、矯正することによって顎関節にさらに負担がかかり、症状がひどくなる事例すら見られます。

 

MK方式は原因除去療法であり、顎関節に調和した歯並びに治すことが基本です。副次的な効果として、そういう歯並び、かみ合わせが原因の不定愁訴も必然的に解消していきます。  

 

④矯正装置の装着期間はなるべく短くする

歯並びの矯正は、ブレ−スという矯正装置を歯に固定して行ないます。ブレ−スをつけている期間は、通常短くて1〜2年、まれに長くて3年ほどです。ブレ−スは慣れてしまえばどうということはありませんが、最初は違和感があり、食事や会話などがしにくくなります。また口をあけるとブレ−スをつけていることがわかり、嫌がる女性も多いようです。生体にとっても、できるだけ外力を長期間かけないほうがよいことはいうまでもありません。

 

ですから、矯正期間をなるべく短くし、目立たない装置にしてほしい−これが、治療に際してほとんどの患者さんが抱く希望です。私もできるかぎり患者さんの希望に沿うように治療を行っていますが、ある程度の期間がかかるのはやむをえません。歯が動き、新しい組織ができてそれが生体に適応するまでには、相応の時間がかかるからです。

 

しかし、MK方式の非抜歯矯正は28本全部を矯正するため、それぞれの歯の強制的で不自然な移動が少なくてすみ、従来の小臼歯を抜く矯正ほど期間を長く要しません。だいたい1年から3年で終わります。しかも奥歯まで起こしてしっかり立ってきますから、再度奥の歯が倒れてくるようなこともほとんどありません。

 

なお、装置についてはのちほどお話しますが、現在ではかなり改善され、目立たないようなものが普及してきています。

 

⑤長い目で見て適正な治療費に

矯正治療は、口蓋裂などの特殊なケ−スを除いて保険が適用されません。全額患者さんの負担になります。これを自費診療あるいは自由診療といい、治療費は矯正医や治療内容によって異なってきます。全般に安いものではありませんが、その値段が高いか否かは、金額の多寡ではなくその治療内容によって判断していただきたいと思います。

 

治療費について私は、患者さんの歯並びや顎関節の状態などをよく診察し、患者さんの希望を聞いて決めています。先ほどもいったようにMK方式の治療のポイントは、顎関節機能の検査を十分に行ない、小臼歯を1本も抜かずに原因を除去する治療です。ですから、不正咬合からくる不定愁訴も改善され、再び歯並びが悪くなるようなことはほとんどありません。矯正したあとは、たまにメンテナンスをする程度で、健康できれいな歯並びを保てます。長い目でみれば価値のある治療だと考えています。 

 

他の矯正治療ではあまりにも簡単に歯を抜くので、歯の価値が忘れられがちですが、1本1本の歯は、一度失えば二度と生えてこない貴重なものです。たとえば私のクリニックには、別の矯正医で小臼歯を抜いて矯正したものの、調子が悪くなって再矯正に来られる患者さんもいます。その場合、ケ−スによってはインプラント(人工歯根)を植えなければなりません。インプラントは1本で数十万円しますから、人工の歯をつけると100万以上かかってしまいます。

 

歯の価値をお金に換算することはできませんが、失った4本の歯を人工的に入れるには、改めてそれだけのお金がかかるわけです。また、治療費が安くても、小臼歯を抜き、奥歯が倒れたまま前歯だけ動かす矯正では再発しやすく、不定愁訴も解消しません。

 

最近では、海外のマネ−ジメント会社が歯の矯正治療にも参画し、格安の治療費をうたって広告宣伝しています。その治療費の何割かは当然マネ−ジメント会社の手数料にまわるわけですから、実際に矯正治療にかける費用は考えられないくらい安くなります。しかし良心的に治療をするなら、決してそんなに安い費用ではできないはずです。

 

歯は一生使うものです。うわべの安さだけに目を奪われることなく、内容をよく吟味して治療費を判断することが肝心でしょう。

 

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